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飾らないやさしい服を求めて採長補短の日々を慈しむ。
たかが紐、されど紐
今回の2dayshows(7月7日〜)のために製作した帽子とスカーフの洗濯表示は、
直接布に取り付ける事が難しかったので、和紙を使う事にしました。

そこで布と紙という素材を繋ぎ止める紐をどうするかという課題にぶつかりました。
僕はいつも通り柔軟されていないオリジナルのヘンプの紐を使おうと考えたのですが、
妻はスカーフを作った時に出た糸くずに注目し、これでも紐は作れると言うのでした。

白い糸くずを4本、生成り色の糸くずを4本束ね、右のすねを使って丁寧に作り出した紐は
白と生成りのスパイラルを産んで、想像以上の出来上がりでした。

たかが紐とはいえども、作り手の見立てを意識してもらう事が可能な重要な部分でもあります。

糸くずが糸くずでなくなった時には目から鱗が落ちましたが、家内工業的なこの作業は
良い意味でビジネスの領域を外れ、僕の父と母の今の仕事にも共通するものでもあります。

posted by | 02:12 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
服の縫製という仕事
Tomoの服の縫製作業は、基本的には僕の妻と、設立当初から一緒に働いている
優秀なスタッフの2名のみで行われているので、すごく忙しいのですが、
2人は毎日話し合って、お互いに縫製の技術を磨き合っている兄弟のような仲です。

設立当初から、売り上げが順調に伸びているため、生産量を増やす必要を感じ、
新しい縫製スタッフを探し続けてはいますが、これがなかなか難しいんです。

最近また求職を出し、すでに数名の人材が求職に訪れて来てくれているのですが、
決定するまでには至っていません。その中には、本当に一緒に働きたいんだけれども、
どうやってもきれいに縫うことが難しく、その場で号泣してしまった方もいます。
自分が言うのもなんですが、僕たちの服の縫製技術はタイではかなり高度だと思います。

だからといって特別な給料を要求する方は、その場でアウトです。
僕達は技術も包み隠さず教えます。お金のために働く事は悪い事だとは思いませんが、
お金のためだけに働く人は、その気持ちが服に出てしまうのです。
ちゃんと一緒に働く事が出来る人には、きちんとした給与を払うというのが妻の考え方です。

また、縫製工場で十数年も働いた経験を持つ方でも、一着の服を仕上げる技術は
持っていません。その理由は、工場では分担作業ですので、襟の縫製のみ、
袖の縫製のみという風に、完璧なる分担作業において、決まった数を、
決まった納期に間に合わす事が何より求められ、工場では従業員は機械のように
働く必要があります。ですが、何十年も働いて退職した後に、縫製技術を使って
個人で小さく仕事をする事すら出来ません。なぜなら、一着の服を仕立て上げる
技術を仕事場で誰も学んでいないのですから。

何かの縁があって、自分たちと一緒に働く機会がある人達には、将来幸せに
なってほしいと強く思います。最後まで一緒に働いてくれれば嬉しいけれども、
人にはそれぞれの考えがあるのだから、途中で自分の未来に向かって邁進する
のもいいことでしょう。どちらにしても、縁があって一緒に働いた従業員とは
ずっと兄弟のような関係でありたいと願っています。

現在、10年間縫製工場で働いている経験を持つ女性が求人に応募して来てくれました。
そんな彼女も、ここでは1からのスタートですが、なかなか筋がいいです。

そろそろ人手が増えないとまずい状況ですので、なんとか相思相愛になってほしいものです。
しかし、何より大切なのはお互いの気持ちですから焦ってはいけませんよね。

※こちらは妻の縫製作業の風景です。縫い始めると、一着が仕上がるまで、
席を立ったりはしません。僕と違って働き者ですし、集中力があります。
こうやってみんなが僕を養ってくれているのです。



 
posted by | 21:55 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
『蛍の光』三番のうた
現在住んでいる住居件オフィスのタウンハウスの裏側は広い空き地ですが、
ほとんど手入れがされずに雑木林のようになっています。街の中心部では
珍しい私有の広い空き地で、緑を感じる事が出来て、とても気に入っています。

日曜の夕刻に、窓を開けてふと外を眺めてみると、パチンコのネオンのような
強烈なホタルの燈火に遭遇しました。原子力などを使わなくても、自然に灯りを
提供できるんだなぁ〜とそのすばらしさに感動したのですが、生物の発光とは
非常に効率が高く、熱をほとんど出さなくて発光する『冷光』らしいです。

話は変わりますが、『蛍の光』三番の歌詞の存在をご存知でしょうか?

筑紫の極み 陸の奥 海山遠く 隔つとも
その眞心は 隔て無く 一つに尽くせ 國の為

遠く離れ離れになっても、それがたとえ辺境の地であろうとも、国のために
心をひとつにして元気にそれぞれの役割を果たそうという意味の歌詞ですが、
陸の奥とは、陸奥国であり、福島県、宮城県、岩手県、青森県と、秋田県北東を指します。

また、蛍の光は東晋の時代の車胤が、家が貧乏で灯す油が買えなかったために
蛍の光で勉強していたという中国の故事がモチーフの一つであり、『灯りを提供する事』と
『陸奥国』、『その眞心は隔て無く 一つに尽くせ國の為』のフレーズの
関連性を福島第一原子力発電所と重ねて考えてしまいました。

今だからこそ、『蛍の光』三番の歌詞は価値があり、再評価してほしいものです。

posted by | 09:00 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
何かしら自分にも出来ることを
大地震のみならず、原発事故の影響などが拡大している様子を、タイにて
固唾を飲んで見守っています。実際に影響・被害を受けている方々の事を
思うと、自分にも何かしら出来ることがあればと思います。

タイ政府も総額2億バーツの支援予算を組んだり、民間でも日本のために
義援金を募集したりと動いているのに、日本人であり日本にお世話になっている
自分が何もしないというのは正直耐えられませんし、何もアクションを起こせない
事に対してもすごく葛藤があります。

ここ数日は、微力でも何かしら自分たちでも手伝える事があればと考えていました。
そこで自分なりに思いついたのが、小さなぬいぐるみのグッズです。
自分たちの服の展示販売会は西日本が中心ですので、お客様に少額のグッズを
買って頂いて、多額の寄付が出来ない代わりに、それを100%寄付に回そうと考えています。

捨てるのがもったいなくて貯めてある、服や小物にも出来ない小さな残布を
利用して、ぬいぐるみをデザインしようと思います。地元の低収入のおばちゃんに
仕事を提供出来ますし、残布も有効利用出来ます。

また、お客様に負担にならない価格設定にすべきだと考えているので、そんなに
大きな金額を集められないかもしれませんが、人と人との気持ちのぬくもりが
何よりも大切だと思いますし、とにかく『何かしら自分にも出来ることを』と考えています。
 
posted by | 20:47 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
『採長補短』で世界が変わる!かも、、
採長補短:さいちょう・ほたん

この言葉は、「ちょうをとり、たんをおぎなう」
つまり、人の長所を取り入れ、自分の短所を補うという意味です。

僕はこの言葉は、とっても実行しがたく、でも自分に必要な意味の言葉と
受け止めています。今年のtomo全体のテーマでもあります。

自分の短所を知り、ひとの長所を見極め、それを自分に取り入れるわけですから、
もはや神業です。取り入れる優先順位も決めなくては、いきなり人のレベル10の
長所をレベル2の自分に取り入れては、うまく機能しないかもしれません。

自分の昔話になりますが、両親の子育て法は、徹底した放任主義でしたし、
僕が卒業した大学の学部も、自分がやりたいことを自分で見つけ、それを
自己実現するためのサポートをするような場所だったので、自分のやりたい
ことが見つからない人には過酷な場所でした。
また、今まで働いた仕事場でも、誰かしらからスキルなどを教えてもらったコトは
ほとんどありません。

キモノのマルさんからは、ただ「トモさん、自分でやるんや!」という言葉は頂きました。
今では、その意味が心に響きます。

また、それはタイに来ても同じで、師が何にも教えてくれないもんだから、はじめは
ほとんど何の役にも立たず、もっぱらタイ語をタイ人の同僚に習う目的の日々でした。

そこから、自分にとって大きな挫折と妻との出会いが同時期にあり、腐りかけた
気持ちも新たに、真剣に仕事に取り組むようになりました。

当時、師が何にも教えてくれないので、何でも自分で考えるしかありませんし、
自分でする仕事を見つけ出さなくては、時間が空しく過ぎていくだけです。

それが僕の『採長補短』の始まりですし、将来の自分にプラスになるような
情報を聞けるように、幅広く興味を持つようになりました。

教えてもらうコトは、将来の自分を見据えていると素直に頭に入るものです。
師は、「目で見て盗め」と良くいいますが、アンテナを張っていないと
何を見て何を盗んで良いのかさえわかりません。

うさぶろうさんの僕へのメッセージはココだと考えています。

生きていれば、どうしても取捨選択に迫られる時があります。
素直に『採長補短』するコトで、自分のスキルを高めて、良い選択が
できるようになるために、、、。
posted by | 17:56 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
No discount !! No sell off !!
何だか粋がった考え方に思われるかもしれませんが、
『Tomoの服は、値引きやセールを一切しません。』

値引きやセールは、販売促進や在庫整理の面では当たり前の行為ですが、
値引きなどは、商品に対して愛着があるようには思えませんし、
セールは、以前に同じ商品を買って下さったお客さまに対して失礼です。

もし、お客さまに対して、何かしら感謝の気持ちを表現したいなら、
セールをしないのが一番ではないでしょうか。
posted by | 11:47 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
草木染めの媒染は大切です。
合成染料の場合は、有害物質を含んだ排水の処理が問題になります。
その点、草木染めは自然のものを使っているので、排水に問題がなく、
環境にやさしいと言えます。

しかし、草木染めの場合でも、、色の幅を出す目的で、自然のものを使わないで、
媒染に銅媒染剤、クロム媒染剤、錫媒染剤などを使ってしまったら、環境、人に
大きな影響があります。
つまり草木染めというだけでは不十分で、媒染に何を使ったかも重要になります。

ちなみに、Tomoの服では、カリミョウバン(アルミニウム)、木灰(カリウム)、
タマリンド(クエン酸)、井戸水(鉄)などが使われています。
カリミョウバンは甘露煮やナスの漬物に使われてはいますが、硫酸アルミニウム
カリウムですので、大量摂取、大量排水などは有害です。

また多くの方は、草木染めに対して、色落ちや変色、退色しやすいなどのイメージを
持たれていますが、それは使う染色材料、媒染にも大きく左右されます。
ですので、確かに合成染料と比べれば弱いですが、ある程度の堅牢度を持つ
布に仕上げることも可能です。

確かに服の堅牢度も大切ですが、生産者が服が出来上がるまでの工程の
環境に対する負荷に対して責任を持つことも大切だと思います。


 
posted by | 20:00 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
環境にやさしいヘンプ
Tomoの服のメイン素材はヘンプです。

誤解されがちなヘンプ:
ヘンプを漢字で書くと大麻ですので、マリファナなどの麻薬を連想する方も多いと思います。
しかし、大麻の種や繊維が、昔から衣服や食品の原料、薬草として使われていた事実は、
あまり知られていなく、誤解されやすい素材でもあります。また、実際にはヘンプと大麻は、
それぞれカタカナと漢字表記に分けられていて、法律で定められた規定に違いがあります。
その理由ですが、繊維用の大麻は、陶酔成分(THC)が生成されないよう品種改良
されていますし、陶酔成分は花穂と葉にはありますが、糸の原料となる茎にはないからです。


大麻取締法では、「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。
ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品を除く としっかり規定されています。

しかし、日本での栽培には、都道府県知事の許可が必要です。
また、タイにおいての栽培は法律で禁止されています。
Tomoの服で使っているヘンプの糸は、ヘンプと文化的に関わりが深いモン族の方に
お願いをして、中国から仕入れています。
環境にやさしいヘンプ:
ヘンプは雑草や害虫に強く、除草剤や殺虫剤などの農薬なしで育てる事ができ、
綿のように収穫期に枯らす必要もありません。
農薬や除草剤、化学肥料を使う必要のないヘンプは、とても安全な農産物と言えます。
実際、大規模な綿畑では、空から枯葉剤を散布して葉を枯らせてから収穫します。
また、全農薬使用量の26%は綿栽培に使用されているという話もあります。


綿との作付面積比較で、3〜5倍の生産が可能です。
デリケートな扱いが必要なコットン、植えれば育っちゃうヘンプといったところです。

また、生育過程でCO2をO2に替える還元率が高いため、空気をきれいにしてくれます。
ヘンプは、地球温暖化防止、環境汚染防止に役立つ作物として注目されています。
わざわざオーガニックという冠をつけなくてもオーガニックな素材がヘンプです。
布製品としてのヘンプの良さ:
制菌効果、防虫効果、防臭効果に優れ、静電気を防いでくれます。
それに加えて、通気性と吸湿性に優れているので、ベタつき感がなく、
他の素材と比べて、汗をかいた後の着心地がとても爽やかです。

また、紫外線と熱を遮断してくれるので、外出時にピッタリな素材なんです。
※実際にドイツではヘンプの繊維を使って、建物の断熱材を作っています。

ここまで言ってしまうと、誇張した表現に聞こえるかもしれませんが、
実際に使って試していただくと、その良さを感じてもらえると確信しています。


 
posted by | 23:27 | TOMOのコンセプション | comments(2) | trackbacks(0) |
布を織り続けてもらうために
つい先日、イサ−ンから大量に生地が送られて来ました。
いつもそうですが、中身を開ける時はいつもドキドキです。
どういった生地がほしい!などは、事前にある程度話し合うのですが、
染色材料には旬があるので、細かい色や柄などは指示しません。
その分、一反一反に織り手の個性が出るので、それはそれで
仕事のやり方として気に入っています。

しかし、博打的要素もあり、袋を開ける時は、使えない生地ばっかりだったら
どうしようという風な不安がいつもあります。
幸運にも今回の生地はどれもすごく良い仕上がりでした。
正直こんな事は初めてで、思わず今までを振り返ってしまいました。

「誰も着ないよっ!!」って思わず言いたくなる色の生地だったり、
こんなに送ってきて、「誰が払うのよぉ!!」と叫びたくなる時もあったなぁ
などなど、話は尽きないのですが、僕たちは一緒になって生地を作り続けています。

作り続けてもらわないと、草木染めや手織りの知識や技術がなくなってしまう
という不安もあります。切れやすい糸で布を織るのは簡単ではありません。
また糸が切れた場合は、その都度繋がないといけないので技術と忍耐が必要で、
誰でも織れるというものではありません。

染め手や織り手がいなくなったら、もちろん僕らも困りますが、
この知識や技術はみんなの財産でもあるのではないでしょうか?
また、この手の温もりをダイレクトに感じる布を身に纏えない日がいつか
来るのは残念なことです。

だから、ちょっと冬は販売が厳しいから生地生産はストップね、とか
ちょっとこの生地は日本の趣味じゃないから返品ね、みたいなことは出来ません。

厳しい時は痩せ我慢を、使えない生地は再度染め直しをすればよいのです。
なぜなら、生産ストップ、返品などをしてしまうと、貧しい地域で暮らしている
彼女たちに安定した収入を提供出来なくなります。
そうなれば、この財産を守れなくなります。

別に誰に強制されたわけでもないですが、自分なりに意義があると感じています。
posted by | 23:17 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |