Search this site
飾らないやさしい服を求めて採長補短の日々を慈しむ。
Tomoの服のボタンホール

Tomoの服のボタンホールは、服を作り始めた10年前からずっと自分で縫っています。

ボタンホールは写真のように見栄えがよくありませんが、それは内側に紙を挟んでいるためです。

手織りの生地は、厚みや密度などさまざまなバリエーションがあり、

ボタンホールを均一に縫うためのアイデアです。

 

使う紙もどれでも良いわけではなく、イタリアのファブリアーノ社の紙がなぜか相性が良いです。

しかし数年前に地元の文房具屋さんからその紙が消えてしまったので、

在庫の手持ちの紙と生地の色とが一緒でない場合もあります。

少し見栄えがよくなくても丈夫な服作りの工夫ですので、気持ちよく使ってもらえれば嬉しく思います。

posted by tomo | 11:57 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
一点もの

「Tomoの服は一点ものではないから、どうかしらねぇ?」とギャラリーさんから言われたと、
販売を担当する兄が僕に話してくれた。大量生産ではないけれど、一点ものでもない、
その姿勢が「中途半端」だから扱いたくないと口を濁して言われたのである。トホホ

正直は話、僕自身が作家だと思った事はないし、デザイナーだとも思った事もない。
一点一点の服を日常の道具と捉え、僕の周りの仲間と一緒に服を使う側のお 客さまの気持ちに
寄り添いながら少しずつ改善したい!本当にそれだけを考えて服を作り続けてきた。
実際に服に問題もあった時期もあるけれど、10年の歳月 の中で改善できた事も多く、
スタッフも日々何となく働いているのではなく、毎日向上しようとしてくれている。(^-^*)/

「一点ものかどうか?」それがそんなに重要なのだろうか?服の良さを判断する基準として、
デザイン、縫製、素材もあるだろうし、そして何よりお客さまに受け入れられるかどうか、
それらの方がもっと重要ではないだろうか。

服に関してもう一つ重要だと感じるものに「パターン」がある。服のデザイン画を描く仕事は
経験が浅くてもできる可能性はあるが、パターンという図面を引く 作業は経験と知識の差が
はっきりと紙の上に出る仕事である。線の流れや繋がり、立体にした時の分量を意識して
作らなければいけないパターンの仕事は、ある 意味デザインする事よりも難しく、
服の良し悪しに大きく関わるのである。変な話、服に関しては一点ものであるかどうかよりも、
パターンの良し悪しの方が遥 かに重要なポイントになると思う。

とは言いつつも、やってみないと否定もできない。一点ものだけの展示会というのもまんざらでもない。
いつかチャンスがあればそれも是非やってみたい。

posted by tomo | 12:36 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
ボタンとボタンホール
基本的に男性服は右に、女性服は左にボタンが付いています。
なぜ重ね合わせが逆なのかを考えた事は今までありませんでしたが、
女性の服を試着した時に(変な趣味はありません、仕事ですから)
ボタンがすごくはめにくいと感じ、その理由を調べました。

中世終期のヨーロッパでは、ボタンが付いている洋服は上流階級が宮廷で着用するもので、
男性は自分で洋服を着替えますが、女性は使用人に着せてもらっていたそうです。
ですから使用人にとってボタンは、向かって左にある方が留めやすかったのです。
それを知った時に、それが慣習だからという理由で自分が作る服にそれを適用していた
感性のなさを痛感させられました。自分が作りたい服は「日常着としての着やすい服」ですから、
はめにくいボタンは修正したいと思います。
(もちろん右利きか左利きかによって、それらも変わってしまいますが日本人のほぼ9割が右利きです。)

ただボタンとボタンホールの関係で言えば、ボタンは右にあった方がはめやすいのですが、
例えばループボタンではボタンが左に付いていた方が実際にはめやすいです。
これからは、ボタンを左右のどちらに付けるべきか、実際にはめてみて決めようと思っています。
常識や慣習にとらわれず、「日常着としての着やすい服」というコンセプトに寄り添いながら、
丁寧に服を作っていきたいと考えています。

posted by tomo | 13:44 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
幸福の時間
自分が住んでいる場所の近くで機織りをしてくれる人が見つかれば、新しいタイプの布
を作れるかもしれない。そうすれば布のバリエーションもいくらか増えるのではという
アイデアから始まって、チェムさんと出会った。

 
織り機も何もないところからのスタートだったから、道具を集める事から始まり、
経糸、緯糸と格闘しながら何とか布ができあがった時の感動は、今でも鮮明に覚えている。

 
より思い通りの布を織ってもらうために、自分で糸を染め始めた。その工程で失敗はあったけれど、
それが結果的に布に対する理解、道具に対する理解、織り手に対する理解を深くしてくれた気がする。

 
布を織る仕事はとても時間がかかるから、自分で織るというのはちょっと現実的ではないけれど、
それでも試しに織らせてもらった事で、その仕事の大変さを体感する事ができた。
 
沢山の人の手と誠意があって初めて、何か一つを完成させる事ができるのであって、
自分一人の力では仕事として何かを完成させるのはムリだという事を意識し続けなければいけない。

それさえ持ち続けて仕事に取り組んでいけたなら、周りがどんどん変化したとしても、
僕たちはいつまでも仕事を続けられると思う。

posted by tomo | 12:26 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
ペーパーリサイクル
プロダクツのパターンを作る時には、タイペーパー社(SCG)で作られている再生紙を使っています。
その理由は、パターンを作るのに厚みがちょうど良く、しかも丈夫だからです。

服などのパターンは修正を重ねながら作っていくものなので、いくら節約しようとしても
それなりの無駄が出てしまいます。小さくても使えるものはカッターで大きさに揃えてメモにします。
それでも本当に小さいものや、細長いものなどは捨てないで集めておき、リサイクル工場に持って行き
わずかな金額ですが換金してもらっています。

仕事の道具として使うので仕方がない無駄ですが、ゴミとして燃やすのではなく、
もう一度再生紙として活躍できるのだと思うと、使う側も気持ちよく仕事ができます。
posted by tomo | 16:05 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
折伏せ縫いの難しさ
ロックミシンは縫いしろをかがって解けないようにすることはできますが、
実際に布と布を縫い合わせるミシン糸が切れてしまえば、1度しか縫っていないため
簡単に解けてしまいます。

それに比べて折伏せ縫いの場合は、1度縫って布を割った後に際を縫い、
内側の余分な縫い代をカットし、外側の布をロールさせて縫い代を包んで縫い止める
という3度縫いですので、そう簡単には解けることはありません。

しかし問題は縫うのに時間がかかってしまう事とスキルが必要な事です。
特に布をロールさせてきれいに縫い止めるのは困難で、簡単にほつれてしまう布もあれば、
厚みによってロールする布の分量を変えなければいけない事もあります。
また、地の目がまっすぐならば良いですが、バイアスのようになっている場合など、
布をいせ込む技術も必要です。

そのため縫製スタッフは人差し指の爪を長くキープして目打ちの代わりに使って、
縫製時間を短縮する努力をしています。

縫製スタッフの募集に対して、今まで何十人もの方が応募してくださいましたが、
妻の厳しい基準をクリアーして実際に採用できたのは、たったの一人です。

posted by | 14:45 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
タイ種の糸で作られた黒檀染の絹布
長年の希望であったタイ種の糸で黒檀染の布を作りたいという願いが叶ったので、
それについてすこし触れたいと思います。タイはものすごい勢いで経済発展しており、
それに伴い農家の意識も変化しています。タイ種の絹布は生産量が減っており価格が高騰し、
手に入れるのは毎年難しくなっています。今回黒檀染の絹布を作って頂いた場所は、
チェンマイから遠く離れた田舎にあり、分かりにくい場所にあるのも魅力です。

養蚕は餌である桑の葉の確保や、蚕が遺伝子的に弱かったりと色々問題もあるそうですが、
何十メートルの長さの生地を作り出すだけでも、相当の数の繭が必要ですし、
これはやはり値段が高くないと割が合わない仕事なのだと思いました。

また、繭を煮て生糸を取り出さなくてはいけないので、蚕の命を奪って
作られるのがシルクの布です。そう言う意味でも、絹糸の価格が高くなければ、
命を無駄にしてしまうような使い方も出来てしまいますし、
それはそれで良いのかなとも思います。

タイ産の蚕から作り出される生糸は、熱帯気候の影響なのか、繭糸は太く短い特徴があり、
繭糸を他の気候帯のものと比較しても表情が違うと思います。
中国から絹糸を仕入れてタイで織れば、それはタイシルクと呼べてしまいますが、
僕はタイ産の繭から作り出される生糸で作られた布を使ってもっと服を
作ってみたいと思っています。なぜならばタイ産のシルクは、マットな質感も魅力ですし
丈夫で長く着ることが出来る布だからです。

また、黒檀染めに関しても、タイ国内の黒檀の木の数自体が減少しているような気がします。
黒檀の実は1年に一度、10月頃に収穫されますが、毎年実が付くわけでもないそうです。
そして濃く染めるには、何度も染めなくてはいけない苦労もあります。
1回染めただけでは茶色ですが、5回染めれば焦げ茶色になり、10回繰り返すと
かなり黒に近い茶色になります。それ以上染めてもより濃い色は難しく、
それよりは、収穫してすぐに染めた実を使えば、より濃く染まるという話です。

以前にも黒檀染のシルクの布で服を作ったことがありましたが、後染めの布だったので、
折伏せ縫いで厚みのある場所など、縫製時に針が折れてしまい、革用の針を
使って縫ってもらった事がありました。しかし、今回の布は先染めで染めていますし、
よく水で洗っているためか、黒檀の実の繊維などが手に付着することもなく、
縫製に関しても普段使っている布用の針で縫うことが出来ました。

posted by | 16:57 | TOMOのコンセプション | comments(1) | trackbacks(0) |
ユニフォーム制作再来!!
昨年末にナイアード・タイランドからユニフォーム制作の注文を受け、
ちょっとしたハプニングはあったものの、何とか納品を済ませることが出来た。

前回は、スタンドカラー、シャツカラーどちらかを選べる半袖シャツを作ったので、
今回はオブロングカラーのバイアス七分袖のデザインを薦めた。
また、前回の素材は黒檀の実で染めた茶系色のコットンだが、色の退色が
気になるという話なので、今回は染めていないヘンプの生地が良いという話になった。

実際にスタッフに試着をしてもらいながら感想を聞くと、袖に関してもそれぞれ
長さに対するこだわりがあることが分かったので、今回はそれぞれの袖の長さの要望
を聞くことにした。また、人によっては袖ぐりを小さく、着丈をもう少し長く、
ウエストを少し絞ってほしいという要望もあった。それでも仕事で着る道具
と考えれば使い手の主張は良くわかるし、それによって少しでもユニフォームに
愛着を感じてもらえるならば、作り手が可能な範囲で着る人の要望を聞くことは
決して間違っていないと思うし、それは僕たちのプライドでもあると思う。

確かに決まったものを提供する方が作るのは簡単だけれど、こうゆう仕事の仕方を
選んだのは、どちらかというと採寸を担当した妻だった気がする。

仕事を始めた頃は、僕が引っ張っていたけれど、最近は僕が引っ張られることもあり、
僕たちの仕事に対する考え方も、お互いに価値観を確かめながら、
結構なんだかちゃんと育っている気がする。

posted by | 09:00 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
ファストファッションに一言!
今回ファストファッションに興味を持ち、これらの商品をそれぞれ買って、
その違いを比べてみた。

ファストファッション(fast fashion)とは、最新の流行を採り入れながら
低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売する
ファッションブランドやその業態をさすとウィキペディアには書いてあるが、
その代表的なブランドの商品の違いを比べてみたくて、ユニクロ、MUJI、
H&M、ZARA、FOREVER 21の商品を買ってみた。

それぞれの客のターゲット層が違うのか、確かに商品の違いはあるのだけれども、
短いサイクルで値下げをする販売手法で成り立っているという事に注目した。
サイクルで売れ残った商品は、ある範囲まで徐々に値下げをし、在庫のリスクを
減らすこの方法はすごく合理的だと思う。しかし、少し待てば同じ物が
安く買えてしまうという事実に何よりも違和感を感じた。

確かに売り切ることは良いことではあるが、定価で買ったお客さまの気持ちを
踏みにじるような販売手法ではないだろうか?消費者の服に対する愛着までも
奪ってはいないだろうか?

Tomo Natural Fabricsの一着の服が出来上がるまでの工程は、布を仕上げるのに
2週間以上、一枚一枚布の地の目を整えながらハサミで裁断するのに何時間もかかり、
服は1人1日2〜3着しか縫えない丈夫な縫製方法、ボタンホールはしっかりさせるために
一つ一つ薄紙をはさみ、生地ムラは糸を差し込んで元通りにするという、
とても効率の悪い工程で成り立っている。

1着の服が出来上がる工程に対し、僕を信じて丁寧に取り組んでいる職人を
リスペクトする気持ちを忘れてはいけないし、高いお金を出して僕らの商品を
買ってくださるお客さまに対するリスペクトの気持ちも忘れてはいけないのではないだろうか。
posted by | 03:32 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |
ガジェットの魅力
外に出して着る事を想定したシャツを作る場合、丈の長さや裾のカーブをどうするか?
という課題にぶつかりますが、今回初めて裾にガジェットを付ける事にしました。

ガジェットとは、脇の縫い目が裂けないように補強として付ける小さな布(ムーシェ)
の事ですが、2dayshowsでは菱形の布を半分に折ったタイプのガジェットを取り付けました。

折伏せ縫いの脇では、ガジェットの裾への挟み込みが技術的に不可能なので、
後から縫い付ける方法を採用しました。表と同じラインを縫って、しかも裏もキレイに
縫うのはそうとう難しいのですが、無理を言って縫い付けてもらいました。

ガジェットは補強の意味合いが強いですが、上部にデザインが集中するシャツに対して、
下部にも視覚的なアクセントをプラスするという発想は重要だと思いました。

posted by | 23:58 | TOMOのコンセプション | comments(0) | trackbacks(0) |